最近、コーチングを取り入れている企業もあると聞いたものの、実際に効果があるか気になっている人もいるのではないでしょうか。
そもそも、「コーチングって何？」「簡単に学べて取り入れられるの？」など、コーチングにさまざまな疑問を持たれている方もなかにはいるでしょう。
そこで本記事では、「コーチングはビジネスシーンに有効なのか？」をはじめ、コーチングの意味や効果を簡単に解説していきます。
コーチングに関する概略的な知識を身につけたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
【簡単に解説】コーチングとはビジネスで幅広く役立つ万能な手法
そもそもコーチングとは、相手の話を聞き、目標達成をサポートするための手法を指す言葉で、ビジネスで幅広く役立つ万能なコミュニケーションツールでもあります。
近年、コーチングはビジネスシーンにおいても、相手の内面にある答えを引き出し目標に向かってサポートする手法として注目されている手法です。
ここでは、コーチングが活かされるビジネスシーンや、得られる効果について詳しく見ていきましょう。
コーチングが活かされるビジネスシーン
ビジネスシーンでは、「コーチング型マネジメント」と呼ばれる手法が注目されています。具体的には、コーチングが活かされるビジネスシーンは以下の3つが挙げられます。
- マネジメント
- 社員教育
- チームビルディング
コーチングは相手のモチベーションを引き上げ、相手の「考える力」「問題解決力」を最大限に発揮させるコミュニケーションの手法として活用されています。
また、コーチングは1対1で行うのが通常で、一人ひとりの話を聞き、相手との関係を構築していくのが重要です。
ビジネスシーンでコーチングを取り入れることにより、よりよい関係性の構築が期待できます。
コーチングによって得られる効果
コーチングを受けることで相手（社員教育における場合は部下）が得られる効果は、大きく分けて以下の3つです。
- 新たな気づきや発見を得られる
- 物事を多面的に見られるようになる
- 目標達成に対するモチベーションが高まる
ビジネスシーンにおいて、組織を構成する以上は「上司と部下」の関係になることが多いでしょう。しかし、コーチングでは上下関係を築くのではなく、あくまでも対等にコミュニケーションを図ることが大事です。
相手の行動を強制するのではなく、対話を重ね、相手がポテンシャルを発揮できる状態に導き、気付きや発見など自己成長を促すためにコーチングを活用します。
コーチングによって、双方の関係性がよくなることは十分に考えられるでしょう。
コーチングと類似する3つの手法との違い
コーチングのほかにも、「ティーチング」「カウンセリング」「コンサルティング」など、さまざまな問題解決の手法を耳にしたことがある人は多いでしょう。
これらはいずれも対話による手法ですが、それぞれ異なる点があります。ここでは、コーチングとのそれぞれの手法の違いについて解説していきます。
ティーチングとの違い
コーチングとティーチングには、関係性やコミュニケーションの手法に違いがあります。
具体的には、ティーチングは指導者が知識やスキルを教えるという関わり方で、明らかな上下関係が生まれます。「親と子」「教師と生徒」「先輩と後輩」など、指導という形を通じて一方的なコミュニケーションをとるのがティーチングです。
コーチングは対話を通じた対等なコミュニケーションを図り、自ら答えを導き出すことに重きを置いている点に違いがあります。
カウンセリングとの違い
コーチングとカウンセリングには、目的やアプローチの手法に違いがあります。
カウンセリングは、相手の過去の悩みや不安をマイナスからゼロへと解消し、問題を解決するアプローチ法です。過去の自分と向き合い、今より良い心理状態に向かうように促します。
カウンセリングは、対話を通じてお互いで最適な解決策を導き出すのが一般的と言えるでしょう。
コーチングの場合は現状をゼロとして、その状態からプラスに引き上げて自身の目標達成・自己実現を促すアプローチをとるため、相手の状況にも違いがあります。
コンサルティングとの違い
コーチングとコンサルティングは、問題解決の方法や期間に違いがあります。
コンサルティングは相手の抱える問題を引き出し、効果的な解決策を提示し、短期間で正解に導くのが一般的です。
また、コンサルティングはコーチングと同じく、解決策を提示するので性質上似ている手法でもあります。
コーチングは問題解決の方法を長期間にわたって引き出すという点で、コンサルティングとは異なります。
コーチングを学ぶ3つのメリット
ビジネスシーンで活かせるとお伝えしましたが、自身でコーチングを学ぶことによるメリットはさまざまあります。中でも、特に以下の3つは大きなメリットと言えるでしょう。
- コミュニケーションが取りやすくなる
- ポジティブで前向きな考え方ができる
- 自分で稼ぐ手段として活用できる
それぞれのメリットについて詳しく解説するので、コーチングを正しく理解していきましょう。
コミュニケーションが取りやすくなる
コーチングは相手との対話を特に重視するため、学べば学ぶほどコミュニケーションを取りやすくなります。
コーチングは自分のことを話すより、相手の話をじっくり聞く機会が多いです。さらに、自身で答えを導き出せるよう質問を重ねるため、相手の考えていることを深く知れるようになります。
コーチングを学ぶことによって、相手の考えをより聞き出す視点・力が自然と身につくため、コミュニケーションがより円滑になるでしょう。
ポジティブで前向きな考え方ができる
コーチングを学ぶと、何事もポジティブに考えられるようになります。
なぜなら、コーチングを学ぶことで、目標達成に向けたアクションプランを自ら考えられるようになり、自身の考え方にも変化が起きるようになるからです。
ポジティブ思考で過ごせるようになると、現状を客観的に捉えた上で、目的思考・未来思考で考えられるようにもなります。
コーチングを学ぶことで、ささいなことでもプラスに捉えられる思考が身につくのは大きなメリットです。
自分で稼ぐ手段として活用できる
コーチングを学ぶと、自分で稼ぐ手段としてもビジネス活用できます。
例えば、社内の人事経験を活かして人材育成に関するコーチングを提供したり、ダイエットに成功した経験を活かして、健康に関するコーチングを始めることもできるでしょう。
自分の強みや経験は、副業としてコーチングに転用できます。さらに、副業で実績を積んだ後は、独立・起業も視野に入れられるでしょう。
副業を始めたいと思っている人は、本業にも活かせるコーチングを学んでみることをおすすめします。
コーチング副業の始め方を詳しくしりたい方は、以下の記事をご覧ください。
コーチングは意味がない？実施する際のデメリット・注意点
コーチングにはメリットだけでなく、デメリットや注意点もあります。中でも、以下で紹介する3点には特に注意が必要です。
- 効果が出るかどうかはコーチのスキル次第
- すぐに効果が出るわけではない
- コーチングが適さない領域もある
メリットに限らずデメリットも理解して、コーチングの全体像をしっかりと確認していきましょう。
効果が出るかどうかはコーチのスキル次第
コーチングは、対話によって相手の自主性を促して目標達成をサポートするため、効果が出るかどうかはコーチのスキル次第です。
なぜなら、コーチには相手の能力や求められる結果をどれだけ引き出せるか、また、引き出すには相手との信頼関係の構築も求められるからです。
相手の話を聞いていたとしても、頷かないなどリアクションがなければ不信感につながり、対話は長続きしないでしょう。コーチングは、対話を通じて「気付き」を与えるものです。
また、コーチと相性が悪い場合も効果は発揮されづらいです。相性の悪さはスキルよりも前段階の問題ですが、そうでなければコーチのスキルが問題になります。
効果が出るかどうかは、コーチのスキル次第であることも念頭に入れておきましょう。
すぐに効果が出るわけではない
コーチングは短期間で効果を期待できるコンサルティングと異なり、すぐに効果が出るわけではありません。
コンサルティングやティーチングは解決策を提示したり導いたりするアプローチであるのに対し、コーチングは、対話により相手の中から答えを引き出すものです。そのため、結果が出るまでには当然時間がかかります。
また、ティーチングは1対多であるのに対し、コーチングは1対1で行うので大人数を相手にできません。その結果、1人1人との対話に時間がかかる点でも効果が出にくく、非効率な側面があります。
コーチングはすぐに効果が出るわけではないので、相手のタイプや求める効果によって、マネジメント手法は柔軟に変える必要があるでしょう。
コーチングが適さない領域もある
コーチングは対話により相手の中の答えを引き出す手法をとるため、場合によってはコーチングが適さないこともあります。
そもそもコーチングは、目標達成のための行動を促すことが目的です。そのため、相手の目標が定まっていない、または目標達成に向けた意欲が本人にない場合、コーチングによる効果は見込めないでしょう。
また、コーチングはすぐに効果が出ないので、緊急性の高い目標や行動変容に対しては不向きです。
コーチングで必要とされる3つのスキルとは？
コーチングを効果的に行うのに必要とされる3つのスキルは以下の通りです。
- じっくり話を聞く傾聴スキル
- 相手の意見・考えを引き出す質問スキル
- ポジティブな思考循環を促す承認スキル
コーチングを実践レベルで学びたい方は、以下で解説する内容をしっかり確認して、自身に不足するスキルを補っていきましょう。
じっくり話を聞く傾聴スキル
「傾聴スキル」は相手に対してじっくり話を聞き、耳を傾けるスキルです。
コーチングでは、相手と信頼関係を築いて話を聞くという傾聴力が必要になります。また、相手に理解と共感を示す姿勢も欠かせません。
ほかにも、相手の表情やしぐさも観察し、相手が安心感を得られるような雰囲気作りにも配慮できると良いでしょう。
相手が話しやすい環境を作り、話すことよりも聞く事に集中することが大切です。
相手の意見・考えを引き出す質問スキル
「質問スキル」は、相手の意見や考えを引き出すためにも欠かせません。
コーチングでは、対話を通じて相手の考えや意見を引き出し、「気付き」を与えるのがポイントです。
コーチングにおける質問は、コーチが相手の情報を収集するためのものではなく、内に秘めた答えを導き出し、成長を促すためのものです。
質問の形式としては、「なぜ」を追求するのはもちろん、「何を」という視点で答えや考えを広げる質問が大切になります。
答えを与えるのではなく、相手の中にある考えを引き出すスキルが求められます。
ポジティブな思考循環を促す承認スキル
「承認スキル」は、ポジティブな思考循環を促す際に必要なスキルです。
コーチングにおいて、傾聴や質問によって得られた相手の回答や考え・意見に対する承認は、相手の自己肯定感に繋がります。そのため、コーチングの過程で気付いた相手の変化や成長は必ず褒めるようにしましょう。
また、相手の長所を見つけて具体的な言葉や態度で褒めることは、成長の定着を促します。さらに、相手の成長や行動を承認することにより、関係性の構築にも繋がるでしょう。
相手のポジティブな思考や成長へのモチベーションを上げるためにも、承認スキルは非常に重要です。
身近なコーチングビジネスの例
ここでは、実際にコーチングをビジネスとして展開している具体例について紹介します。
例えば、プログラミングスクールや英会話教室などは、大人数を対象にした受講形式もあれば、参加者のスキルレベルや目標に応じてマンツーマンレッスンを提供することも可能です。パーソナルトレーニングは、個別レッスンを提供するわかりやすい事例の一つです。
このように、個人の状況に合わせて目標設定できるビジネスは、総じてコーチングに向いています。
そして、マンツーマンでサービスを提供できるため、副業や個人起業もしやすく、コーチングは近年注目を集めているのです。
コーチングを仕事にしたい方は、以下の記事もご覧ください。
⇒コーチングを仕事にする方法とは？仕事内容や収入・なり方を徹底解説
コーチングで個人起業したケースを紹介
コーチングといってもさまざまなタイプがあり、主なものには以下が挙げられます。
- ライフコーチング
- 言語コーチング
- 自己啓発コーチング
- ダイエットコーチング
- ITサポートコーチング
これまでの経験や自分の得意分野を活かせば、誰でもコーチとして活躍できるでしょう。自分では当たり前のように取り組めている事柄について、実はコーチングを受けてでも達成させたいと思う人がいるはずです。
それぞれのコーチング起業例に関しては、以下の記事で詳しく確認できます。
自分のマインドをチェンジすることで起業成功されたライフコーチの山内さん
⇒【ライフコーチ・講師系成功事例】入塾22日目で80万の売上達成！
自分らしくを意識して起業成功されたITサポートコーチの星沢さん
⇒【IT/パソコンサポート起業家 成功事例】受講後1ヶ月で55万円、4ヶ月で150万円の売上達成！
コーチングに関するよくある質問
最後に、コーチングに関するよくある質問をまとめました。
コーチングをするのに資格は必要？
コーチングをするのに基本的に資格は必要ありません。
コーチングには民間資格しかなく、国家資格は存在しないため、ティーチングやコンサルティングと一緒で、コーチと名乗るだけで副業を始められます。
民間団体がコーチングのトレーニングや実績を認定資格として実施しているものもあるので、自身の必要性に応じて取得すれば問題ないでしょう。
コーチングを学ぶのにおすすめな方法は？
コーチングを学ぶのにおすすめな方法には、大きく以下の2つが挙げられます。
- 資格取得を兼ねてスクールやオンラインサロンで学ぶ
- 書籍で独学する
スモールスタートを切る意味では、まずは書籍で体系的に学び、もっと詳しく・専門的に学びたい場合はスクールを検討しても良いでしょう。
自身の目的に合わせて、始めやすい方法でコーチングを学ぶのが大切です。
【まとめ】コーチングを学んでビジネススキルを高めよう
コーチングとは、相手の話に耳を傾け、観察や質問、提案などをして、相手の内面にある答えを引き出す目的達成の手法です。
コーチングは新たな気づきや目標達成に向けたモチベーションを高められるので、ビジネスシーンにおける関係性構築の一環として活かすこともできます。
また、コーチングを学ぶこと自体にもさまざまなメリットがあります。
- コミュニケーションが取りやすくなる
- ポジティブで前向きな考え方ができる
- 自分で稼ぐ手段として活用できる
コーチングには「傾聴力」「質問力」「承認力」の3つのスキルが重要で、これらはビジネスパーソンとして活躍するには必須なスキルと言えるでしょう。
コーチングは社員教育や組織のマネジメントに限らず、コミュニケーションを円滑に行うのにも有効です。
本記事を参考に、コーチングの理解を少しずつ深めていきましょう。