コーチングは年々需要が高まっており、収入アップを考え独立を検討する方もいるでしょう。
クライアントの悩みを傾聴し目標達成へのサポートをするコーチングは、自分のスキルを最大限に活かせるビジネスです。クライアントだけではなく自分自身も成長できるコーチングは、メリットが多く魅力的ですが、注意すべきデメリットもあります。
本記事では、コーチングで独立するメリット・デメリットを解説します。
独立で失敗しないコツとやり方も紹介しますので、独立して失敗しないか不安な方の参考になれば幸いです。
コーチングで独立する4つのメリット
コーチングとは、対話を重ねることでクライアント自身が目標達成に必要な思考・行動に気付けるよう導く指導方法を指します。
コーチングで独立するメリットは以下4つです。
- 少ない資金で開業できる
- 自分のスキルが活かせる
- ライフスタイルに合わせて働ける
- 自分自身も成長できる
コーチングでの独立を検討されている方は、参考にしてください。
少ない資金で開業できる
多額の資金が必要になる自営業や小規模ビジネスと比較すると、コーチング事業は開業資金がほぼかかりません。
コーチングは特定の商品を販売するのではなく、自分のスキルを販売します。
資料作成や業務管理のためにPCと周辺機器は最低限必要になりますが、オンラインビジネスとして展開すれば働く場所を選ばず、出張費や交通費などの節約が可能です。
ただし、個人事業主として開業する場合は、税務署へ開業届を提出する必要があります。
近年ではインターネットで開業届を提出できるようになったので、税務署まで出向く手間もかからないでしょう。
コーチングは少ない資金で開業できるうえ、オンラインツールを活用すればコストを抑えつつビジネスを成長させられるため、低リスクで始められる事業と言えます。
自分のスキルが活かせる
コーチングで独立すると、自分の得意なスキルや専門知識を最大限に活かせます。
自分自身のスキルや知識からビジネス戦略を立てられるため、ターゲットを明確にしたサービスを提供できるのもメリットの1つでしょう。
コーチングで扱われるテーマは年々増加しており、具体例は以下のとおりです。
ジャンル | コーチングテーマ例 |
ビジネス | パフォーマンス向上、部下の育成 |
人間関係 | 恋愛の進め方、友人の作り方 |
生活 | ダイエット、運動習慣化 |
学習面 | 読書の趣味化、メンター(相談者)探し |
趣味やマイナーなスキルでもコーチングに活用でき、複数のジャンルを並行できるのも魅力の一つです。
コーチングで独立する際には、自分の得意なことを書き出し、自由な発想で取り組んでみましょう。
ライフスタイルに合わせて働ける
コーチングで独立すると、自分のライフスタイルに合わせた自由度の高い働き方ができます。
営業時間や休日などを自由に設定できるため、会社員のように時間に縛られません。また、オンラインツールが普及したことから打ち合わせの場所も自由に選べ、より時間効率を高められるようになりました。
仕事さえきちんとこなせば、営業時間を短くしたり長期休暇をとったりすることも可能です。
コーチングでの独立は自分のライフスタイルに合わせて、自由度の高いビジネスができると言えるでしょう。
自分自身も成長できる
コーチングはクライアントの成長を支援すると同時に、自分自身も成長できます。
クライアントとの対話を通じて新たな知識や洞察を得られるため、自分自身のスキルを向上させられるのもメリットでしょう。
また、スキルだけでなく精神的な成長も実感できます。クライアントはコーチングによって目標達成するための思考や行動を模索するため、コーチは不安を与えないよう自信を持った取り組みが必要です。
コーチングに対する前向きな姿勢はクライアントに安心感を与えるうえ、自己肯定感を高め自分自身の成長を促せます。
コーチングを仕事にする方法を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
コーチングを仕事にする方法とは?仕事内容や収入・なり方を徹底解説
コーチングで独立する2つのデメリット
コーチングで独立した場合のデメリットは以下の2つです。
- 収入が不安定になる
- 会社員よりも仕事量が多い
比較的低リスクで独立できるコーチングですが、デメリットもあります。デメリットも理解したうえで独立を検討しましょう。
収入が不安定になる
独立初期は事業も安定しないため、収入が不安定になりがちです。
独立すると、会社員のように安定した収入はありません。自分でクライアントを獲得できなければ、無収入の時期もあるでしょう。無収入状態が続けば最悪の場合、事業の撤退を余儀なくされる可能性もあります。
クライアントを獲得するまでには時間がかかるため、収入のバラつきに対する準備と計画が重要です。独立初期は収入の少なさに不安を感じるかもしれませんが、集客方法を学び地道に努力することがクライアント獲得のポイントといえます。
収入の不安定さを懸念する方はある程度貯金してから独立するか、副業として活動するなどの対策も検討するのがおすすめです。
会社員よりも仕事量が多い
コーチングで独立すると自由度の高い働き方ができるものの、自分1人ですべての業務を行うため仕事量が増えます。
コーチングで独立した際の主な業務内容は以下のとおりです。
- 事務手続き
- 営業活動
- コーチングセッション
- クレーム対応
独立後はクライアントとの対話であるセッションだけでなく、事務手続きや営業も1人で行います。クライアントからのクレームが入れば、自分で対応しなければなりません。
各部署で決まった仕事を行う会社員と比べると仕事量の差は歴然であり、多岐にわたる業務を行うには、時間管理が重要です。
しかし、仕事量の増加というデメリットは捉え方次第でメリットにもなります。経験を積むとセッションの効率を上げられるだけでなく、事務手続きや営業、クレーム対応はマニュアル化できます。
経験を積むことで自分自身が成長するきっかけになるでしょう。
コーチングで独立するための4つの準備
コーチングで独立するための準備は以下4つです。
- クライアントの設定を明確にする
- クライアントに提供するサービスを作る
- セールススキルを身につける
- 副業で試してみる
独立で失敗しないよう、しっかりと準備しましょう。
クライアントの設定を明確にする
コーチングで独立するためには、自分の得意分野をもとにクライアントの設定を明確にする必要があります。
クライアントはコーチングを提供して報酬を得る対象であり、長期的な関係を築く可能性がある人物です。コーチング事業はクライアントにより左右されるため、以下の項目を参考に設定してください。
- ターゲット層(年齢・性別・職業・年収・個人経営・法人経営など)
- クライアントが抱える課題や目標のジャンル
- 理想的なクライアントの人柄
クイアントの設定を明確にすると、よりターゲットに合わせたサービスを提供でき、ニーズにも応えられます。
また、クライアントにもさまざまな人がいるため、セッションを断る基準を決めておくのも重要なポイントです。例えば、横柄な性格だったりコーチングに対して不信感を抱いたりする人がクライアントでは、コーチングでの成果を得るのは難しいでしょう。
クライアントは、ただ対話するだけでは価値を感じてくれないため、クライアントに寄り添ったコーチングを提供できるように準備するのがポイントです。
クライアントに提供するサービスを作る
クライアントの設定が決まったら、提供するサービスを作ります。コーチング内容以外に、セッションに関するシステム面での項目も以下を参考に計画しましょう。
- 提供するコーチングの内容やジャンル
- 1回あたりのセッションの長さ
- セッションの頻度や回数
- セッションの料金体系
- セッションの提供方法(直接対面・オンライン)
コーチング内容やジャンルは、クライアントのニーズや課題を理解したうえでサービスを提供しなければなりません。具体的な目標設定や課題解決の方法など、クライアントにとって有益だと感じてもらうための工夫が必要です。
また、事業が成功するにはサービスの質を向上させ、単価を上げるのもポイントです。自分自身のスキルアップや定期的なセッションに関するフィードバックを行い、ほかのサービスとの差別化を図りましょう。
セールススキルを身につける
コーチングで成功するには、コーチングスキルだけでなくセールススキルを身につける必要があります。
いくら有能なコーチでも、クライアントとの成約に至らなければ収益には繋がりません。したがって、ヒアリングや無料セッションでクライアントを獲得できる「セールススキル」が必要です。
セールススキルではクライアントに信頼感を与えるために、以下の点を意識しましょう。
- 強引な売り込みをしない
- クライアントの悩みや問題と真剣に向き合う姿勢を見せる
クライアントに信頼されるにはサービスの押し売りは逆効果であり、悩みに寄り添ってコミュニケーションを取るのがポイントです。
コミュニケーションが取れたら、サービスの特徴やメリットを具体的に伝えてください。説得力のある表現を身につけるとクライアントの関心を引きつけられます。
セールススキルに自信がない方は、事前に相談内容と解答を書いた台本を作成し、反復練習する方法がおすすめです。継続的に学習し、トレーニングを積むことでセールススキルを向上させられます。
副業で試してみる
コーチングで独立するための準備の中でも特に重要なのが、副業から始めることです。
副業から始めることでクライアントから直接依頼を受ける重要さや、自分の課題が見えてきます。課題をもとにビジネスに必要なスキルの習得や、コーチングの経験を重ねられるため、独立時の失敗リスクを軽減できるでしょう。
目安として、副業で月収20万円ほど継続して稼げるようになってから独立するのをおすすめします。独立初期はビジネスが不安定になることも考えられるため、収入のベースを作っておくと安心です。
まずは、休日などコーチングに使える時間の中で成果が出せるか、試してみてください。
安定して稼ぐには、副業から始めて経験やビジネスにおける人脈を作り、固定のクライアントを獲得しておくのが重要なポイントです。
副業でのコーチングに興味がある方は、こちらの記事もご覧ください。
コーチングの独立で失敗しないコツ3選
コーチングで独立する際に失敗しないコツは、以下3つです。
- 固定費は最小限に抑える
- 集客スキルを身につける
- コーチング成功者をメンターにもつ
独立する準備ができたら、失敗するリスクを軽減させるためにも参考にしてください。
固定費は最小限に抑える
コーチングに限らず、独立直後は収入が不安定になりがちなため、不要な固定費は最小限に抑えておくと安心です。
人は予想以上に稼げると、事務所を用意したり良い車を準備したりしがちです。しかし、稼げた翌月には収入が落ち込むこともあるため、安定して稼げるまでは大きな出費を控えてください。
最低限、3ヶ月連続で「生活費+α」が稼げるかを目安にすると良いでしょう。
また、どれほど稼げるようになっても借金癖や浪費癖があっては意味がありません。毎月安定した収入がある会社員と違い、独立すると収入には波があります。クレジットカードの返済に追われているなど、収入に対して支出を上回るようなお金の流れがある方は、独立前にお金まわりの見直しが必要です。
収入が安定するまではできるだけ無駄な固定費を削減すると、コーチングで独立する成功率を高められます。
集客スキルを身につける
独立して失敗しないためには、コーチングスキルだけでなく集客スキルが必要不可欠です。
どれほど優れたコーチでも、クライアントがいなければ無収入のままになってしまいます。したがって、コーチングスキルと並行して集客スキルを身につけられるよう優先して取り組みましょう。
集客方法は実際に独立して成功しているコーチから学ぶのが効率的です。集客するための媒体や集客の仕組みが確立するまでの苦労などを知り、クライアントを引きつける方法を学んでください。
独立初期はSNSやブログなどを使って「興味・問い合わせ・購買」の流れを作るのをおすすめします。しっかりと集客スキルを身につけることで、安定したクライアントの獲得が可能です。
集客に関する不安がある方はこちらの記事も参考にしてください。
失敗しないコーチング集客方法!失敗する人の特徴4選と5つの成功事例
コーチング成功者をメンターにもつ
成功したコーチをメンターに迎えることで、ビジネスにおける経験や知識を共有し、失敗を回避するためのアドバイスを受けられます。
メンターとは、自身が仕事やキャリアの手本となって助言・指導し、個人の成長や精神的なサポートをする人を指します。
ビジネスは成長するほど新たな悩みや不安が出てきますが、自分自身で対処するのは簡単ではありません。成功しているメンターは同様の悩みに直面し解決しているため、状況に合わせたアドバイスをしてくれます。
メンターは単なる仕事の指導役だけではなく、精神面でのサポートをする役割も担う重要な存在です。経験豊富なメンターの指導を受けて、更にビジネスを成長させましょう。
コーチング起業で成功したい方は、こちらの記事もおすすめです。
コーチング起業を成功させる5つのステップとは?商品の売り方ついても解説
コーチングで独立を成功させた事例を紹介
個人でコーチング起業・独立を成功させた事例は以下のとおりです。
- ライフコーチ
- ダイエットコーチ
- 自己啓発系コーチ
- 英語コーチ
- IT・PCサポート系コーチ
コーチングのテーマは多岐にわたり、今まで注目されなかったジャンルも人気が出始めています。一般的にはマイナーだと思われる趣味やスキルでも、自分の得意分野を活かせるチャンスです。
クライアントを明確にし、悩みや目標に寄り添ったサービスを提供できるように工夫しましょう。
成功事例の詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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【まとめ】コーチングで独立するには準備が大切
コーチングで独立するメリットは
- 少ない資金で開業できる
- 自分のスキルが活かせる
- ライフスタイルに合わせて働ける
- 自分自身も成長できる
といった4つが挙げられます。
コーチングで独立するデメリットは
- 収入が不安定になる
- 会社員よりも仕事量が多い
といったものがありました。
コーチングで独立するための4つの準備としては
- クライアントの設定を明確にする
- クライアントに提供するサービスを作る
- セールススキルを身につける
- 副業で試してみる
ことが大切です。
コーチングの独立で失敗しないコツとして
- 固定費は最小限に抑える
- 集客スキルを身につける
- コーチング成功者をメンターにもつ
という3選をお伝えしました。
比較的低リスクで独立できるコーチングは、ハードルが低く感じるかもしれません。しかし、独立するメリットとデメリットを正しく理解しないと、想定外のトラブルが起こる可能性もあります。
独立のための準備とコツをしっかりと押さえることが、安定したビジネス運営への鍵となるでしょう。