コーチングは自分の得意分野を活かせるため、起業してみようと検討する方もいるでしょう。
初期投資が少なく起業のハードルが低いコーチングですが「失敗してしまった」という人も珍しくありません。起業における失敗は、少なからず経験すると思います。コーチングにおいて大事なのは、クライアントの悩みに寄り添ったサービスを提供することです。
本記事ではコーチング起業で失敗する人の特徴を解説します。
併せて起業の成功率を上げるコツも紹介しますので、これから起業しようと検討している方は、ぜひ参考にしてください。
コーチング起業における失敗とは?6つの具体例
コーチングとは、悩みや問題を抱えたクライアントと対話を重ね、自分自身で解決できる思考や行動を促す指導方法を指します。
クライアントの目標達成をサポートするコーチとして起業する際の失敗例は、以下のとおりです。
- コーチング自体を売ろうとしている
- コーチングとコンサルの違いが理解できていない
- 資格取得に満足しサービスの品質が改良されない
- 憧れから無計画に起業してしまった
- 集客の仕組みが定まらず収入が上がらない
- 初期投資が多く負債を抱えてしまった
それぞれ具体的に解説しますので、参考にしてください。
コーチング自体を売ろうとしている
初心者によく見られるのは、「コーチングそのもの」を売ろうとするため、上手く集客に繋がらないケースです。
例えば「ダイエットのコーチングを行う」と宣伝しても、ダイエットが成功した先の未来が分からず、クライアントは魅力を感じません。
集客に繋げるなら「誰もが羨む美ボディを手に入れられるダイエット講座を行う」などと宣伝しましょう。コーチングを通して、クライアントが得られる未来を提示するのがポイントです。
コーチングはクライアントの成長を支援する手段であるため、自分のスキルよりも顧客のニーズを重視する姿勢が求められます。つい、コーチングを売ろうと自己PRしてしまいがちですが、クライアントの問題解決を重視しましょう。
コーチングとコンサルの違いが理解できていない
コーチングとコンサルティングは混同しやすいため、違いが理解できていないとサービスの質が良くならず、クライアントを獲得できません。
どちらもクライアントの行動を変える目的がありますが、アプローチ方法は以下のように異なります。
コーチング | コンサルティング |
対話を重ねてクライアント自身に目標達成するように促す | コンサルタントが目標達成するための戦略や行動プランを考え、クライアントに答えを与える |
コーチングは、クライアントの成長を支援することに重点を置いたものであり、ニーズに合わせたサポートが必要です。
一方、コンサルティングは目標を達成するための具体的な戦略や行動プランを与えます。そのため、アドバイスを求めるコーチングのクライアントニーズとは異なります。
コーチングで起業する場合、コンサルティングとの違いを理解し、クライアントの成長を引き出せるアプローチ方法を提供しましょう。
資格取得に満足しサービスの品質が改良されない
コーチングに関する資格を取ること自体は有益ですが、合格しただけで満足し、サービスの品質改良を怠ると、クライアントの獲得は難しいでしょう。
コーチングにはさまざまな専門資格があり、起業を機に資格取得を目指す人も多くみられます。資格を取れば依頼が来るわけではないため、知識や経験を積み、スキルアップする努力が必要です。
そもそも、国家資格や公的資格とは違い、コーチングの資格は「民間資格」であり、大きな価値はありません。したがって、コーチングで起業するために資格は不必要であり、無資格でもサービスの品質を改善する努力を惜しまなければ、高収入を達成できるといえます。
コーチングにおいて、資格は1つのステップに過ぎません。コーチング起業で失敗しないためにはコーチ自身がスキルアップし、サービスの品質を向上するよう努力しましょう。
憧れから無計画に起業してしまった
「会社に縛られない働き方」や「好きなことを仕事にする」などの肩書きに憧れて勢いで起業すると、事業が軌道に乗らず失敗する場合があります。
近年では、SNSやインターネットの普及から起業は手軽なものになりました。参入するハードルが低いコーチングでは、誰でも「コーチ」として名乗れてしまいます。
したがって、学習や営業活動・クライアントとの関係性維持などの必要不可欠な作業を軽視しがちです。
起業における失敗は、誰もが少なからず経験するでしょう。重要なのは、失敗した原因を探求し成功へと計画を立て直すことです。
憧れから無計画に起業すると失敗しても危機感がないため、計画を立て直せず事業をたたむケースもあります。失敗するリスクを軽減させるにはコーチング事業における計画を立て、市場調査やターゲット層の分析を行うのがおすすめです。
集客の仕組みが定まらず収入が上がらない
コーチング起業で成功するには優れたスキル以外に「集客の仕組み」を理解し、確立する必要があります。
そもそもクライアントがいなければ収入を得られないため、率先して改善すべき項目といえるでしょう。
しかし、多くの初心者コーチは重要な項目にもかかわらず、集客の仕組みを理解できていません。集客の仕組みが構築できていない方は、以下の方法を試してみてください。
- ブログ・SNS・メルマガで自分自身やサービスをアピールする
- コーチングを申し込めるようにホームページを作る
- プラットフォームを利用してクライアント獲得に繋げる
集客の仕組みが定まらない方は、コーチングに限らずほかの事業でも収入が上がらないため、コーチングスキルと並行して集客スキルも向上させましょう。
初期投資が多く負債を抱えてしまった
起業を機に「オフィスを借りる」「移動用の車を購入する」など初期投資が多すぎるのも、コーチング起業で起こりがちな失敗例の1つです。
せっかく起業するなら形から入りたい方もいると思いますが、起業初期は数ヶ月無収入であるケースも多く、固定費が支払えなくなってしまいます。
そもそも、コーチングにオフィスは不必要であり、クライアントとの対話であるセッションはオンラインでも十分可能です。コーチングにおける必要不可欠な固定費は、スマートフォンやPCなどの通信費くらいで、無理に環境を整える必要はありません。
初期投資を減らすと、万が一無収入になったときの経済的・精神的な負担も軽減できるため、起業時はしっかり検討しましょう。
コーチング起業で成功するための7ステップ
コーチング起業で成功するには、次の7ステップを意識してください。
- 起業で達成したい項目を書き出す
- 「やりたい」と「教える」をかけ合わせる
- 提供できる未来を考える
- 未来を得るのに必要な要素を書き出す
- クライアントを集客する
- 価値を提供し信頼を得る
- 料金設定し収益化に繋げる
項目ごとに詳しく解説します。
1. 起業で達成したい項目を書き出す
コーチングで成功するには、まず起業で達成したい項目を洗い出す必要があります。
コーチングのテーマは、自分の興味のあるジャンル・才能・特技から見つけると良いでしょう。あまり難しく考え過ぎず、以下の項目を参考に書き出してみてください。
- 自分の好きなこと
- 得意なこと
- 幸せに感じること
- ワクワクすること
書き出した項目の中から、コーチングとして需要がありそうなものをピックアップします。
ピックアップした項目の中からさらに選別し、起業に繋がるテーマを決めましょう。
2.「やりたい」と「教える」をかけ合わせる
起業で達成したい項目に「教える」をかけ合わせることで、提供するコーチングのテーマを決めます。
具体例は以下のとおりです。
達成したい項目 | 提供するコーチングテーマ |
海外旅行をする | 海外旅行の方法 |
子どもと接する | 子どもとのコミュニケーション方法 |
速読する | 速読方法 |
提供するコーチングテーマが当たるか否かはマーケットに出さないとわからないため、悩まずに直感で進めてください。
サービス案を出す時点では、トピックに詳しい必要はありません。自分が楽しみながらクライアントに貢献できるテーマを選びましょう。
3. 提供できる未来を考える
コーチングのテーマが決まったら「クライアントに提供できる未来」を決めます。
クライアントに提供できる未来は、より具体的な未来像を言及するのがポイントです。
例えば、子どもとのコミュニケーション方法のコーチングなら「子どもと上手くコミュニケーションが取れて仲良くなれる」とクライアントの未来像まで具体的に決めてください。
ビジネスの方向性を決めるためにも、コーチングがクライアントにもたらす未来のビジョンをわかるようにするのが重要です。
クライアントに必要なのはコーチングではなく、コーチングにより導かれる未来であるため、より具体的に考える必要があるといえます。
4. 未来を得るのに必要な要素を書き出す
クライアントに提供する未来が決まったら、実現するために必要な要素を考えましょう。
具体的には、子どもと仲良くなりたいクライアントに対して「会話の仕方や子どもを喜ばせる方法」というように、目標達成するための方法を決めるのが大切です。
クライアントが未来を実現するために必要な要素は、コーチング事業でのサービス内容に該当します。
クライアントが目標達成するために必要なステップやプロセスを整理し、未来を得るのに必要な手段を考えましょう。
5. クライアントを集客する
コーチングのテーマが決まったら、ターゲット層を特定し集客を行います。
集客方法が不安な方は、次の方法を試してみましょう。
- 無料〜300円ほどのセミナーや動画講義を用意する
- ブログ・SNSなどで情報を発信し認知度を高める
無料〜300円ほどの商品を「おとり商品」といい、コーチング起業では個別セッションやウェビナー・動画講座がおすすめです。
おとり商品を認知してもらうためにブログやSNSなどを用いますが、1から媒体を作り発信するのは大変なので、プラットフォームを活用し自動的に集客すると効率的です。
6. 価値を提供し信頼を得る
集客できたら、受け取る金額以上のコーチングを提供し、信頼を得ていきましょう。
例えば、無料動画に有料級の有益情報を盛り込み、コストパフォーマンスを高めるのがおすすめです。情報を出し惜しみしないことで、信頼を獲得でき収益に繋がります。
無料〜低価格で設定されている「おとり商品」に対して、情報を出し惜しみしたくなるかもしれません。しかし、クライアントに「無料なのに、有料級の情報をもらえた」と感じさせることが信頼を得るうえで重要です。
おとり商品に価格以上の価値を提供をするからこそ、クライアントの信頼を得られると理解しておきましょう。
7. 料金設定し収益化に繋げる
クライアントからの信頼を得たら、コーチングの料金を設定して収益化に繋げます。
おとり商品で有益な情報を提供したあと、より有益な情報を得るためのコーチングを案内してください。クライアントからの信頼を得ていれば、ほかの情報にも価値があるように感じ、高価格のコーチングを購入する可能性は高まります。
料金設定に悩むかもしれませんが、欲しい報酬額を設定し、金額に見合ったサービスを設定してください。
信頼を得ているので、安売りしないように販売するのがポイントです。
コーチング起業で失敗しないための3つのコツ
コーチング起業で失敗しないコツは、以下の3つです。
- コーチング成功者と交流を持つ
- スモールスタートを徹底する
- 集客スキルを身につける
コーチング起業で失敗しないように、各項目とも参考にしてください。
コーチングの成功者と交流を持つ
コーチング起業を成功させるには、コーチング成功者と交流を持つのをおすすめします。
「実際に稼いでいるコーチ」と交流を持つと学べることは、以下のとおりです。
- 稼ぎ方を学べる
- コーチングのスキルを学べる
- 起業家としてのマインドを教えてもらえる
実際に稼いでいるコーチからは、稼ぎ方・スキル・マインドなど有益情報を吸収できます。
起業に関する悩みなども経験済みであるため、より自分の状況に合ったアドバイスを受け、自分自身のアプローチ方法を改善できるでしょう。
スモールスタートを徹底する
コーチングは最低限、スマートフォンだけ持っていれば起業できるため、スモールスタートを徹底すれば初期投資を少なくできます。
スモールスタートとは、小規模で新しいビジネスを始めることです。初期投資を少なくすると、万一失敗しても経済的ダメージは少なく、精神的にも安定した状態で取り組めるでしょう。
大きな投資やリスクを伴わずにスタートできるコーチングは、スモールスタートして確実に成果を積み重ねたい方に最適なビジネスです。
集客スキルを身につける
コーチングで起業する際は、スキルや資格取得の勉強以外に「集客スキル」を身につける必要があります。
集客に活用できるツールは以下のとおりです。
- X(旧:Twitter)などのSNS
- YouTubeなどの動画プラットフォーム
- ホームページ・ブログ
まず、集客に活用できるツールでGoogleやYahooで検索されることが重要です。アクセスが安定したらステップメール、メルマガと申し込みに繋がる流れを作り、クライアントを獲得しましょう。
集客スキルに関する詳細は、こちらの記事に詳しく掲載しているので参考にしてください。失敗しないコーチング集客方法!失敗する人の特徴4選と5つの成功事例
コーチング起業の成功例3つ
実際にコーチング起業で成功した事例を3つ紹介します。
コーチングテーマ | 提供する未来 |
自己啓発コーチ | 人目を気にせず、プラス思考になれる |
ダイエットコーチ | ダイエットして痩せた自分に自信が持てる |
英会話コーチ | 英会話を通して仕事に活かせる |
成功事例を見ると、自分の得意なことや興味のあることをテーマに、クライアントへ提供する未来を決めているのがわかります。
「人目を気にせずプラス思考になれる未来」のように、提供する未来を具体的に決め、クライアントの悩みや問題に寄り添ったサポートをすることが、コーチング起業での成功への近道といえるでしょう。
ビジネスの場においても、コーチングは導入されており、社員の成績アップや上司の指導力を上げるなどの成果を出しています。
【まとめ】コーチング起業はポイントを押さえれば失敗を回避できる
- コーチング起業における失敗例は、コーチング自体を売ろうとしている・コーチングとコンサルの違いを理解できていないなど6つある
- コーチング起業で成功するには、起業で達成したいことを書き出し、クライアント像を具体的にすることが重要である
- コーチング起業で成功するには、クライアントに価値を提供し信頼を得てから収益化に繋げる
- コーチング起業で失敗しないコツは成功者と交流を持つ・スモールスタートを徹底する・集客スキルを身につけることが挙げられる
- コーチング起業の成功例は、自己啓発・ダイエット・英会話などさまざまなジャンルがあり自分の特技を活かしたテーマとなっている
コーチングは、クライアントの悩みや目標に寄り添ったサポートをする必要があるため、無計画に起業しても失敗のリスクは高まるでしょう。
自分の特技から、クライアントに提供できる未来を設定することで、より具体的なサービスを提案できます。
起業で成功するにはコーチングスキル以外にも集客スキルが重要であるため、並行して学ぶことをおすすめします。本記事の内容を参考に、コーチング起業の失敗を避けましょう。